
こんにちは!HEARTSHEART Laboの村田です。もし、あなたの音声が死後、AIによって復元されて、利用されるとしたら、どう思いますか?
カリフォルニア大学の論文です。
デジタル時代の「死後のデータ」って?
スマホやSNS、クラウドサービスに残された私たちのデータ。
文章や写真だけでなく、声や動画もAIに取り込まれていきます。
最近は、亡くなった人の言葉や声を再現してくれる「AIボット」も登場しています。
家族にとっては慰めになるかもしれません。
でも一方で、本人の許可なしに作られてしまうリスクや、悪用される危険もあるのです。
最新の研究が提案する「3つの約束」
海外の研究者たちは、この問題を考えるために「死後のデータ管理」の3つの原則をまとめました。
忘れる権利
→ 亡くなった後はデータをきちんと削除し、AIがその人を学習した痕跡も消せるようにする。データを引き継ぐ権利
→ データを残したい人は、家族などに権利を渡せる仕組みをつくる。利用のルール
→ 研究や社会的な目的ならOK。でも広告や政治利用、本人を歪めるような使い方は禁止。
とてもシンプルですが、今の法律やサービスにはまだ十分に取り入れられていません。
実際にあるサービス
少しずつですが、現実にも似た取り組みがあります。
- Google:使わなくなったアカウントを削除したり、家族にデータを渡せる設定あり。
- Apple:iCloudにある写真やメモを「遺産管理人」に渡せる仕組み。
- Facebook:アカウントを「追悼アカウント」にできる。
- HereAfter AI:生前に録音した声をもとに、死後も会話できるようにするサービス。
こうした仕組みはまだ始まったばかりで、AIとの付き合い方もこれからの課題です。
最後に
私は亡くなった父のデータをもう少し持っていればと思うことがあります。
プライベートにはいいのではと思いますが、忘れるというのも、人が前向きに生きるために良く働くこともあります。
でも、記憶をよみがえらせる効果もあります。一方で、悪用もできるでしょう。AIは人との区別がつかないということもあります。これはこれまでありえなかったよろこびにも、苦しみにもつながることかと思います。
みなさんはどう考えますか?
よくある質問(FAQ)
A. 亡くなったあとに残るSNSの投稿、写真、メール、音声や動画データなどのことです。最近は、これらがAIに利用されることもあり、いわば「デジタル遺産」と呼ばれています。
A. 本人がいなくなった後、そのデータをどう使うかは明確なルールがなく、勝手に模倣AIが作られることもあります。慰めになる場合もありますが、悪用されるリスクもあるため議論が必要です。
A. 海外では、亡くなった人を模倣した「デッドボット」「グリーフボット」が登場。遺族が会話できることで救われる場合もありますが、逆に「亡くなった人に追いかけられている」と感じ、心の負担になる例もあります。
A.
忘れられる権利(削除):死後はデータを削除し、AIの学習からも外す。
相続の仕組み:残したい人は家族などに権利を渡せる。
利用ルール:研究目的はOKだが、広告や政治利用は禁止。
A. はい。GoogleやAppleには「デジタル遺産サービス」があり、アカウントを削除したり家族にデータを渡したりできます。また、Facebookには「追悼アカウント」機能もあります。生前に設定しておくことが安心につながります。
A. ぜひ考えておくべきです。
- 「全部消したい」
- 「家族に残したい」
- 「研究や社会のためなら提供してもいい」
人によって望みは違います。生前に意思を残すことが、遺族の安心にもつながります。
著者

村田正望(むらた まさみ)
工学博士/HEARTSHEART Labo 所長。脳科学とAIを融合した発想力教育・活用支援を行う。研究と実務経験をもとに、ビジネス・生活・子育てに役立つ「脳×AI」の学びを発信中。
HEARTSHEART Laboの活動
HEARTSHEART Laboでは、さまざまな立場の方を対象にした研修・プログラムを提供しています。
- 企業・ビジネス向け:「脳×AI」でAIを「第二の脳」とする発想力・企画力講座
- 教師・教育関係者向け:「脳×AI」で授業改善や教材づくりにAIを活用する実践研修
- 個人向け(子育てパパママ):「脳×AI」で子育てや家庭学習に役立つオンライン講座
- 個人向け(社会人・高校・大学生):「脳×AI」でAIを「第二の脳」とするオンライン講座
「ビジネス」「個人」それぞれの場で、脳とAIをつなぐ実践をサポートしています。