
カフェで流れてきた、懐かしい曲。
イントロを聴いた瞬間、なぜか胸がざわざわして、落ち着かなくなった。
嫌いな曲というわけじゃない。むしろ、昔はよく聴いていたはず。
なのに、コーヒーの味もわからないくらい、心がざらついてしまった。
思い返してみたら、それは大学時代、ちょっとしんどかった時期に聴いていた曲だった。
失敗ばかりで、自信をなくしていたころ。
帰り道のイヤホンの中で、その曲がよく流れていた。
音楽と感情が、しっかり結びついて記憶されていたんだ——
そんな気づきをくれたのが、脳の「扁桃体(へんとうたい)」。
扁桃体は、“感情の警報装置”とも呼ばれていて、
喜び、怒り、悲しみ、不安……そんな感情を強く感じたときに、ギュッと脳に刻み込む。
とくに「命を守るために大事な感情」には敏感。
そのおかげで、私たちは“なんとなく嫌な感じ”にも、ちゃんと気づけるようになっている。
でもね、時間が経つと、不思議なことも起きる。
その曲を聴いていた頃の自分を思い出すたびに、
「それでも頑張ってたな」と、少しだけ愛おしく感じられるようになった。
扁桃体がくっつけてくれた“曲と感情”。
その感情を手がかりに、自分の過去と向き合えるって、すごいことだと思う。
「なんとなくざわざわする」は、無視しないで大切にしていい。
でもその先には、「よくやってたね」と声をかけたくなる自分が待っているかもしれない。
扁桃体って、傷を知らせてくれるだけじゃなく、
やさしい記憶の入り口を、そっと開いてくれる存在なのかもしれない。
失敗を避けたくなるのも、挑戦が怖く感じるのも、心が弱いからではありません。
脳の中にある「扁桃体」が敏感に反応しているだけ――そう理解するだけで、関わり方が変わります。
この“見えない心のセンサー”は、私たちの心の中に根強く存在しています。
プレゼンで緊張したり、新しい挑戦をためらったり、つい感情的になってしまったり…。
そうした反応の背景にも、脳のしくみが深く関係しています。
だからこそ、私たち自身が脳のはたらきを理解することで、思考や行動に柔軟さと選択肢を持てるようになります。
そしてAI時代の今、AIそのものが人間の脳のはたらきを学び、
人に合わせて応答したり、判断したりするフェーズに入っています。
自分の脳を理解し、AIという“拡張機能”の特性を知ること。
そのうえで、自らのテーマに沿ってストーリーを創作するという実践は、
これからの時代を生きるための知的な土台となります。
“脳を知り、AIを使いこなし、物語で伝える”
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