
「午前中に、あれを終わらせたら、おにぎり買いに行こう」
その日、私は朝からちょっと憂うつな作業に取りかかっていた。
データ入力。地味で単調。でもやらなくちゃいけない。
ふと浮かんだのが、大好きな昆布のおにぎりだった。
終わったら、あれを買って公園で食べよう。
そう決めたら、不思議と手が動き出した。
お昼前、予定より少し早くタスクを終えられた。
コンビニでおにぎりを買って、ベンチに座ってひと口。
「うまっ……」って、思わず声が漏れた。
食べたのはいつものおにぎりなのに、なんだかごほうびの味がした。
この「がんばった→うれしい」ルートをつなげてくれているのが、脳の報酬系、特にドーパミンという神経伝達物質の働き。
何かを達成したとき、あるいは「もうすぐごほうびがあるぞ」と期待したとき、ドーパミンが分泌されて、“よし、やろう!”という気持ちが自然にわいてくる。
面白いのは、「うれしいことがあったからやる気が出た」のではなく、
「うれしいことが“あるはず”と思っただけで、やる気が出る」ということ。
つまり、自分で「これが終わったら、○○しよう」と小さなごほうびを用意するだけで、
脳はちゃーんと期待して、背中を押してくれる。
あの日のおにぎりは、ただのランチじゃなかった。
自分で自分に出した、前向きスイッチの鍵だったんだと思う。
やる気が出ないときは、ちょっと先の“楽しみ”を用意してみる。
それは、今日の自分を動かすための、やさしい脳の使い方かもしれない。
「やる気がないのではなく、スイッチの入れ方を知らないだけかもしれない」
これは、子どもに限らず、大人にも当てはまる――脳からの大切なメッセージです。
行動を続けるには、“自分の中の納得”が必要。
そして、それを後押ししてくれるのが、脳内で働くドーパミンという物質です。
脳のしくみを知ることで、モチベーションの源を理解し、自分の力で“やる気”を引き出す方法が見えてきます。
だからこそ、私たち自身が脳のはたらきを理解することが、
思考や行動に柔軟さと選択肢をもたらしてくれるのです。
そしてAI時代の今、AIそのものが人間の脳をモデルに学習し、
人に合わせて応答や判断をするフェーズに突入しています。
自分の脳を理解し、その“拡張機能”である生成AIの特性を知ったうえで、
自らのテーマに沿ってストーリーを創作するという実践は、
これからの時代を生き抜くための、知的な土台となります。
“脳を知り、AIを使いこなし、物語で伝える”
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