
駅のベンチで電車を待っていたときのこと。
隣にいたベビーカーの赤ちゃんが、ふと私のほうを見て、
にこ〜っと、とびきりの笑顔を見せてくれた。
なんの前触れもなく、不意打ちのように。
私も思わず、笑ってしまった。
なんだろうこの、条件反射みたいな「つられ笑い」。
でも、その一瞬で気持ちがふっと軽くなったのを覚えている。
実はこれ、脳の「ミラーニューロン」という神経細胞のはたらき。
人が誰かの動作や表情を見ると、自分の脳の中でも同じような反応が起こる。
つまり、「笑顔を見たら、自分の中にも笑顔の回路が動き出す」ようになっている。
このしくみは、言葉を使わなくても“共感”をつくり出してくれる。
誰かがうれしそうだと、こっちまでうれしくなる。
誰かが痛がっていると、自分までちょっと顔をしかめる。
そんな「感じとる力」が、脳の中にあらかじめ備わっているなんて、不思議で素敵だ。
赤ちゃんが笑ってくれたのも、たぶん私の表情が少しゆるんでいたから。
そして、私が笑ったのを見て、赤ちゃんはもっと笑った。
言葉も、知識も、関係性もいらない。
たった数秒の“つられ笑い”が、ちいさな信頼をつくっていた気がする。
人と人がつながるって、まずは「感じとること」から始まるのかもしれない。
ミラーニューロンは、そんなさりげない“共感の種”を、今日も私たちの中で静かにまいてくれている。
笑顔が伝染するように、温度のある対話は周囲へ波紋を広げます。
「共感って才能?」と思われがちですが、実は脳には“模倣して感じ取る”仕組み――ミラーニューロンの働きが備わっています。
この仕組みを知ると、相手の立場に立つコツも、チームの空気づくりも、ぐっとシンプルに見えてきます。
つまり、共感力は特別な人だけの能力ではなく、「脳を理解すること」で誰でも育てられるスキルなのです。
そしてAI時代の今、AIそのものが人間の脳をモデルに学習し、
人に合わせて応答や判断をするフェーズに突入しています。
だからこそ、自分の脳を理解し、
その“拡張機能”である生成AIの特性を知ったうえで、
自分のテーマに沿ってストーリーを創作するという実践は、
これからの時代を生き抜くための、知的な土台となります。
“脳を知り、AIを使いこなし、物語で伝える”
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