AI戦略会議 第9回

第九回になるAI戦略会議(R6年5月22日)の資料が公開されました。
座長が東大の松尾教授になって1年程ですが、この資料についてざっと見ていきましょう。

まず、AI戦略会議1年間の振返り。

主な国際的な取り組みということですが、日本はどの国に対してもオープンに包括的政策枠組みを提示したということでした。このへんの解説は、3月に行われた、松尾教授の記者会見で話していました。
動画はこちらです。(こちら

AI戦略会議1年間の振返り。国内です。

昨年5月26日、AIに関する暫定的な論点整理を行なったあと、6月には個人情報保護、11月には偽・誤情報等、ガイドライン・履行確保等、12月には雇用への影響、今年2月にAIセーフティインスティテュート創設、4月にAI事業者ガイドラインとの動きがありました。AI事業者ガイドラインはこちらです。(こちら

次は、AIのイノベーションとAIによるイノベーション。
データの整備は、この後の資料で、情報通信研究機構(NICT)が進めているということです。計算資源の確保のために、何社かに政府が数十から数百億円の出資をしているとのこと。ニュースなどで時々目にしましたね。新たなモデル開発、日本の強味を活かす、というのは合わせて重要ですね。国際協力は、同盟国や信頼関係がある国とやるべきで、日本に敵対意識を持っている国の人たちがメンバーなのは問題だと思いますが、そのへんの意識はあるのでしょうか。

こういった懸念はさておき、先週、ChatGPT-4oを見ても、学生は当然、ビジネスパーソンも、AIの理解と活用はとても重要です。まずは、使ってみるという一歩が必要です。

先にご紹介した記者会見で、松尾教授は、日本はAI分野では遅れていたが、この1年くらいいい動きをしていると言っています。座長としても、研究者としても、頑張っていらっしゃるのだと思います。

戦後、さまざまなものを失った日本。製造業も奪われるところでしたが、そこは奪われることなく、いまの日本経済の根幹となっています。その製造業をはじめ、日本の強味に、人類始まって以来の脳のマシン化である「AI」を活かせるか。とても大切な時期にいると私は思います。

上部へスクロール