なぜか忘れられない、あの日の光景

なぜか忘れられない風景がある。

特別な日でもない。
日記もつけていないし、写真も残っていない。
でも、あの日の午後の光、風の匂い、誰かと交わした何気ない会話が、
今でもふっとよみがえることがある。

それは、脳の中にある「海馬(かいば)」という場所が、
その出来事をまるごと“記憶の引き出し”にしまってくれたからかもしれない。

海馬は、脳の中で“エピソード記憶”をつくる役割を担っている。
出来事の流れ、その場にいた人、感情や風景。
まるで映画のワンシーンのように、時間と空間の記録をしてくれる。

面白いのは、「覚えよう」と意識した記憶よりも、
“そのとき何かを感じた”という体験のほうが、しっかり残ること。

たとえば、春の風がふと吹いた瞬間に、
昔の学校の帰り道を思い出すことがある。
それは、記憶を“探した”というより、感覚の中から“浮かび上がってきた”ような感覚。

海馬は、私たちの“感情の動いた瞬間”に敏感で、
それをそっと拾って、大切にしまっておいてくれる。
だから、なんでもないように思えた午後の記憶も、
心の奥にずっと残っているのかもしれない。

記憶は、覚えるものじゃなくて、
「感じたものが残る」もの。
そう思えるようになってから、
日常の一瞬が、少しだけ愛おしくなった。

数字は忘れても情景は残る――それは海馬が“体験ごと”記憶するから。

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