
スーパーに着いて、カゴを手に取った瞬間、思い出した。
「……あ。買い物メモ、忘れた」
よりによって今日に限って、メモを冷蔵庫に貼ったまま出てきてしまった。
でも、戻るのも面倒くさい。なんとかなるはず。
そう信じて、私は脳内メモ帳を必死に開いた。
「牛乳、卵、えーと、あと何だっけ……?」
ぐるぐる思い出そうとしているその時、私の脳の中では、
ワーキングメモリがフル稼働していたに違いない。
あれはまさに、“情報を一時的に並べて、同時に操作する”という脳内作業ショーだった。
ワーキングメモリは、パソコンでいうところの“作業中フォルダ”みたいなもの。
長期記憶にはまだ保存されていないけど、
ちょっとの間だけ意識の上に置いておきたい情報を、
ここで一時的にキープして、必要に応じて引っぱり出す。
メモを見ていれば一発で済んだ話なのに、
「昨日切らしてたのは…あ、味噌だ!」
「火曜日に使うやつ…鶏むね肉だ!」
と、ヒントを手がかりにして、記憶を組み立てていくのは、なんだかゲームのようだった。
結局、家に帰ってメモを確認すると、抜けていたのは2品。
でも、正直ちょっと誇らしかった。
「今日は私のワーキングメモリ、よくがんばった!」と心の中で拍手。
もちろん次からはちゃんとメモを忘れないようにしようと思ったけれど、
自分の脳の“作業机”の底力をちょっとだけ信じられた午後だった。
電話を取りつつメモをし、次の手順を考える――
そんなマルチタスクが求められるビジネスシーンで活躍するのが「ワーキングメモリ」です。
ただしその容量は限られており、詰め込みすぎれば“フリーズ”してしまうのもこの機能の特徴です。
HEARTSHEART Labのプログラムでは、まず脳のしくみを理解することから始め、
AIを“脳の専門家”として活用するというユニークな学び方を取り入れています。
脳は、人の感情・行動・思考を支える鍵であり、
同時に、すべての学問・ビジネス・芸術・文化を生み出す知の源泉です。
この“脳を起点としたAI活用”こそが、HEARTSHEART Laboの最大の特徴です。