ChatGPTでつくる!小学生向け漢字ワークの可能性
こんにちは、HEARTSHEART Laboの村田です。
今回は、ChatGPTを活用して「小学生向けの漢字書き取りワーク」を自動生成してみた体験を紹介します。
ChatGPTで漢字ワークを作る理由
小学校では学年ごとに数百字の漢字が指定され、学期ごとにテストがあります。夏休み明けにはまとめテストがあり、子どもたちは宿題や小テストを繰り返しながら準備を進めます。
しかし、毎回ランダムに漢字を出題してくれるプリントを作るのは意外と大変です。家庭で作るとなると、親が手作業でプリントを用意することになり、時間も手間もかかります。
そこで試してみたのが、ChatGPTを使った自動生成です。
HTMLコードで自由度を確保
漢字ワークの特徴は「四角い枠の中に漢字を書き、外側にルビを振る」形式。これをWordやPowerPointで整えるのは面倒ですが、ChatGPTにHTMLで生成させれば、レイアウトの自由度が高くなります。
さらに、HTMLをブラウザで表示してPDF化すれば、そのまま印刷して使えるのです。
実際にやってみた結果
試しに「山を歩く」といった例題を入力してみると、四角い枠とルビが表示されたプリントが完成しました。細かい調整は必要で、たとえば枠の大きさやルビとの間隔などはプロンプトで指定し直さなければなりません。
また、10問・20問といった問題数や、学年ごとに習う漢字リストを与えることも必要です。指定を細かくしすぎると逆に崩れることもあり、試行錯誤が欠かせません。
応用の広がり
今回の取り組みは漢字ワークでしたが、算数など他教科にも応用できます。親が自分で教材を作る姿を子どもに見せること自体も教育効果があり、AI活用を一緒に学ぶ良い機会になります。
もちろん、ドリル出版社や教育機関が本格的に導入すれば、大量の問題を一瞬で生成できるようになるでしょう。
学びを楽しくするAIの力
教育におけるAI活用の魅力は、子どものレベルに応じて柔軟に問題を作れることです。
結局のところ、「楽しい」と感じることが学びを続ける最大の原動力です。子どもにとっても大人にとっても、AIを使って工夫しながら学ぶ体験そのものが価値になるのではないでしょうか。
これはAIエージェント自作の初歩でもある
実は、今回のようにChatGPTに指示を与えて教材を作成するプロセス自体が、AIエージェントを作る初歩的な取り組みといえます。
タスクの定義(学年ごとに漢字を出題する、枠やルビをつける)
入出力の設計(条件を入力 → HTMLコードを出力 → PDF化して利用)
現実世界との接続(プリントして子どもが使う)
これらは、まさにAIエージェントを設計する際に必要な基本要素です。
もちろん今回は「人が都度プロンプトを入力する」形ですが、将来的にはフォームに学年や問題数を入力するだけで、AIが自動でPDFまで生成する仕組みに発展させることもできます。
つまり、漢字ワークづくりは単なる教材作成にとどまらず、AIエージェント開発の入門体験にもなるのです。
おわりに
今回の試みを通じて、漢字学習だけでなく、さまざまな分野でAIを取り入れた新しい学び方の可能性を感じました。
教育現場や家庭での活用はもちろんのこと、AIを使って自分なりのツールを作る第一歩としても、非常に価値のある体験になるはずです。
ぜひみなさんも、ご家庭や授業の中で試してみてください。
よくある質問(FAQ)
A. 基本的にはプロンプト(指示文)を入力するだけで、HTML形式の漢字ワークを生成できます。最初はシンプルな指示から始め、徐々に「問題数」「学年」「レイアウト調整」など細かい条件を加えると良いでしょう。
A. ChatGPTが生成したHTMLコードをブラウザに貼り付けて表示し、PDFとして保存。そのまま印刷できます。WordやPowerPointを使うより手早く整ったプリントが作れます。
A. はい。1年生から6年生まで、それぞれの学年で習う漢字をリスト化してChatGPTに渡せば対応可能です。例えば「2年生の漢字からランダムに10問作って」と指定できます。
A. 可能です。算数の計算問題や英単語テストなど、他の教科にも同じ仕組みを応用できます。アイデア次第で幅広く活用できます。
著者
村田正望(むらた まさみ)
工学博士/HEARTSHEART Labo 所長。脳科学とAIを融合した発想力教育・活用支援を行う。研究と実務経験をもとに、ビジネス・生活・子育てに役立つ「脳×AI」の学びを発信中。
HEARTSHEART Laboの活動
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- 企業・ビジネス向け:「脳×AI」でAIを「第二の脳」とする発想力・企画力講座
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